1. HOME
  2. ブログ
  3. 賃貸不動産
  4. インフレはなぜ起こる? 発生のメカニズムや不動産市場に与える影響も簡単に説明し ます

BLOG

ブログ

賃貸不動産

インフレはなぜ起こる? 発生のメカニズムや不動産市場に与える影響も簡単に説明し ます

近年テレビや新聞、ネットニュースなどの経済ニュースで、食料品などの生活必需品の値上げが度々取り上げられています。それに伴ってインフレーションやデフレーションと言った言葉を耳にする頻度が増えてきたように、感じている方も多いかと思います。
インフレーションやデフレーションは、景気に関わる重要ワードです。しかし実際にどのような現象でなぜ発生するのか詳しく理解できている方は、多くないと思います。
ここでは、インフレーションとはどういった現象なのかインフレーションはなぜ起こるのか、そのメカニズムやインフレーションが不動産市場にどのような影響を与えるのかについて紹介します。

そもそもインフレとは? 用語の意味を簡単に

そもそもインフレーションとは、どう言った意味や現象なのでしょうか。インフレとは、インフレーションの略語を指します。インフレーションを簡単に言うとモノの価値(値段)が上がることによって、相対的にお金の価値が下がる現象のことを言います。
インフレーションは様々な要因が絡むことによって発生しますが、一般的なインフレーションを簡単に説明すると以下の流れになります。
景気が良くなることに、より収入が増える
購買意欲が上がり、需要増と消費が拡大する
供給不足などによりモノの価値が上がる
供給を増やすために企業が人や設備へ投資を増やす
仕事が増えることにより景気が良くなる
インフレーションは、この流れを繰り返すことにより、景気の好循環が起こることで発生します。
経済成長にはインフレーションが伴いますが、上記のような良い状態のインフレーションの場合、モノの値段が上がった分収入も増えるため、生活への影響は大きくは発生しません。収入が増えた分、購買力が上がることでサービスやモノを買い求める民衆が増え、経済的には満たされた状況になるともいえます。
ただし、インフレーションは物価の上昇によって現金資産の価値が下がってしまうため、インフレーションの状況が極度に加速しすぎる状況は、好ましくありません。インフレーションが加速しすぎた状態である「ハイパーインフレーション」になると、経済の混乱が起こってしまいます。
実際に国外で起こったハイパーインフレーションの例を簡単に紹介します。アフリカ南部に位置するジンバブエで発生したハイパーインフレーションが挙げられます。ジンバブエでは、2000年ごろから起こった激しいインフレーションにより、物価が極度に上がり続けハイパーインフレーションの状態になりました。2008年には消費者物価上昇率が前年比220万%に達し、100兆ジンバブエドル紙幣が発行されるまでになりました。最終的にジンバブエドルが廃止され、外貨を使用することでハイパーインフレーションは収束しました。ジンバブエの例は極端なものですが、このような経済の混乱を回避する必要があります。そのため中央銀行はハイパーインフレーションのリスクの回避を、インフレーション率の管理をすることによっておこなっています。通常世界のインフレーション率は、数%程度になります。2022年の世界消費者物価(年平均)インフレ率が、世界では7.4%になっています。この数値を見ると、ジンバブエのインフレーションは、異常であったことがわかります。

参考:ジンバブエ、最高額の新紙幣導入へ ただしパン1斤買えず

インフレが加速すると住宅ローンに影響が出る? アメリカで起きている問題を解説します

インフレーションと住宅ローンの関係を、アメリカで実際に起きている問題とともに簡単に説明します。
結論から述べると、インフレーションが加速すると住宅ローンに影響を及ぼします。理由としては、金利の景気と住宅ローン金利は密接な関係があるためです。日本銀行は物価の安定を目標としているため、一般的なインフレーションが発生した場合は長期金利が上昇し易くなるといわれています。簡単に言うと、景気が良くなると購買意欲が上がることによって需要増と消費の拡大が起こり、一般的には企業の設備投資増による資金需要が見込まれるからです。
アメリカでは2022年に入り3月、5月、6月のすでに3度アメリカの中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board))が政策金利の利上げを実施しました。これは、簡単に言うと2021年夏頃から傾向が強まったアメリカの記録的なインフレーションの抑制のためにおこなわれた経済政策の一環です。その際、アメリカでは7〜8%の急激なインフレーションが発生していました。
これはアメリカに限りませんが、住宅ローン金利は国債の金利を元に決まっていて、国債金利が上がると住宅ローン金利も上昇します。2021年末あたりから、アメリカ国債の金利が上昇傾向にあり、それに伴って住宅ローン金利も上昇しました。米抵当銀おこな協会(MBA:The Mortgage Bankers Association)が発表した、30年固定の住宅ローン金利が7%を超え、2001年以来の高水準となっています。
これにより、住宅購入の買い控えによる景気の冷え込みの懸念が発生しています。

参考:米国 消費者物価指数 (前年比)
米国債利回りの推移 | OANDA FX/CFD Lab-education(オアンダ ラボ)
Mortgage Applications]

インフレになるとその先の景気はどうなる?不動産価格の推移は?

インフレーション状態の時の景気の推移はどうなるでしょうか。インフレーション発生の要因ごとに簡単に説明します。
通常良いインフレーションと呼ばれるのは、景気の順調な拡大に伴う物価の上昇になります。これによって発生するインフレーションの場合、景気に良い影響を与えることが多いです。景気に良い影響を与えるというのは、簡単に言うと景気拡大により需要が増大すると、物価を上げても販売数が落ちなくなるということです。また物価の上昇による利益の増大で、企業の業績が向上します。そのため人材確保のための賃上げがおこなわれ、労働者の収入も増えます。賃上げや企業の業績が高くなることで、物価が上昇しても実質的には変化がないため経済的に満たされる状態となります。
しかし、海外の物価の影響により、景気が横ばいであったり、悪化している時でも物価が上昇してしまう悪いインフレーションが起こることがあります。その場合、国内の景気と関係なく物価が上昇するため収入もあまり上昇せず生活は苦しくなります。そうすると買い控えが起こるため、景気は停滞、または後退してしまいます。現在の日本は、簡単に説明するとこの状況に近いといえます。

それでは、インフレーションによる物価上昇は不動産価格にも影響を与えるのでしょうか。インフレーションやデフレーション下において、不動産価格の推移と物価の推移は異なった動きをすることがあります。特に戸建てやマンション、アパートなどの住宅では、不動産価格はインフレーションによる物価の動向に連動しやすくなります。これは簡単に言うと、建材などの原材料費や住宅設備費による建築コストの増加が、物価の動向に影響を受けやすいのが原因になります。
ただし、建築コストの増加が必ずしも不動産価格の上昇につながるわけではありません。それは、価格が上がりすぎると買い手が限られてしまうからです。そのため、インフレーションによる物価上昇が起こった際は、できるだけ多くの人が買えるように土地や建物の面積を小さくして(分割)販売します。また、設備や建材のグレードを変えることでも、販売価格の調整をおこないます。食料品が内容量を減らすことによって物価の上昇に対応するように、不動産も小口化や分割した形で、対応することもあります。そのため、不動産価格が見た目上では変化していなくても、実質的に値上げが起こってることもあります。
他にも、インフレーションによる金利の上昇は住宅ローン金利の上昇につながります。住宅ローンの金利が上昇すると、住宅ローンを用いた住宅の購入者の月返済額が増えるため、不動産価格にも影響を与えます。
ただし、不動産の価格は需要と供給の関係で最終的には決まることがほとんどになります。そのため、都心部や駅近など人気のあるエリアにある物件であれば価格は高くなり、地方や都市部から離れた箇所であれば、価格が下がりやすい傾向にあります。それはインフレーションやデフレーションに関わらず起きる現象になります。

建設産業・不動産業:不動産価格指数 – 国土交通省

不動産を購入する場合には、インフレーションの動向を注視しよう!

ここまで、国内外を問わず実際に発生しているインフレーションによる景気の変化と、それに伴う不動産価格の推移について紹介していきました。2022年は、円安になり円の価値が急激に低くなってきています。そのため、外貨で日本の土地を購入する外国人が増えてきました。不動産の価格を購入する場合には、市場の価値変動と状況を判断するのが得策になります。
不動産は、以下に代表される要因で比較的インフレーションに強い現物資産といえます。
①物価の上昇に伴って不動産価格も上昇しやすいため、資産価値が高くなる
②インフレーションによる物価上昇によってお金の価値が下がると、借入金の価値も下がるため住宅ローンの返済がしやすくなる
不動産の購入は、数万〜数十万で購入できる商品ではなく、決して安い買い物ではないため、大抵の方は銀行からお金を借り、住宅ローンを組んで購入します。そのため、インフレーションの動向をしっかりチェックして、不動産価格や住宅ローン金利の動向をしっかりと注視して検討することが大切です。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事