1. HOME
  2. ブログ
  3. 賃貸不動産
  4. 不動産デューデリジェンスとは? 調査項目や効果について解説します

BLOG

ブログ

賃貸不動産

不動産デューデリジェンスとは? 調査項目や効果について解説します

売買を検討しているときやM&Aの流れの中で投資する不動産を検討する際には、「不動産デューデリジェンス」が欠かせません。
この記事では、不動産デューデリジェンスが何かといったところからその調査項目、効果について解説します。

不動産デューデリジェンスとは何か?

まずは不動産デューデリジェンスについて説明します。
「デューデリジェンス」についても説明しますので、ぜひ参考にしてみてください。

デューデリジェンスとは

デューデリジェンス「Due Deligence」とは、英語で「Due」は「適正な」、「Deligence」とは「努力・義務・調査」という意味であり、日本語訳すると「適正な調査」という意味になります。
元々デューデリジェンスはM&Aにおける企業の調査や評価を指していましたが、近年にはこの調査が不動産など他の分野に関しても適用されるようになりました。
主な調査としては、企業やプロジェクトに対して「業績」「財務状況」「法の順守」「競合状況」といった内容があります。
デューデリジェンスは、現在様々な種類があります。
代表的なものとしては、「ビジネスデューデリジェンス」「財務デューデリジェンス」「法務デューデリジェンス」「ITデューデリジェンス」などが存在します。
これらと肩を並べるのが「不動産デューデリジェンス」です。

不動産デューデリジェンスとは

M&Aにおける買収企業の将来性や市場価値を含めた多角的な評価を不動産に適用したものが「不動産デューデリジェンス」です。
不動産の所有権や物件の評価、設備の状態、トラブルの有無など、不動産取引や投資におけるリスクを最小限に抑えるための情報を徹底的に調査します。
また、現地にて不動産の調査も行います。立地条件や周辺環境、建物の状態などを調査しますが、これらは不動産鑑定士やコンサルティング会社に委託するのが一般的です。
日本においては企業間取引時のみに不動産デューデリジェンスを行いますが、デューデリジェンスという言葉の産みの親であるアメリカにおいては、個人間の不動産売買を行う際にもデューデリジェンスを行います。日本においても今後不動産デューデリジェンスが普遍的に行われるようになる可能性があります。

不動産デューデリジェンスの3つの調査項目

不動産デューデリジェンスは、多角的な調査を行い、詳細なデータを元に不動産の価値を評価します。
その調査項目は多岐に渡りますが、大きく分けると「経済的調査」「法的調査」「物理的調査」の3点に分けられます。
以下でそれぞれ詳しく解説します。

経済的調査

不動産デューデリジェンスでは、企業が保有する各不動産についての資産価値のほかに投資物件としての経済的価値を調査する必要があります。
そこで、基準地価や相続税路線価の確認や近隣の市場状況や今後の開発計画などを調査し、その調査を元に実勢価格の変動も予測します。住宅用の不動産であれば、周辺の物件の家賃相場や空室率も調査します。
基準地価については、国土交通省『土地総合情報システム』から「地価公示・都道府県地価調査」を見ることで確認できます。

国土交通省『土地総合情報システム』:https://www.land.mlit.go.jp/webland/ 

法的調査

不動産デューデリジェンスでは、不動産の権利関係の確認をする必要があります。
具体的には、企業の代表者や役員の名義になっているのかといった所有権の正当性の確認や過去の売買の確認、境界の確認などを行います。また、消防法や建築基準法などに対する法令違反がないのかどうかも併せて調査します。
法令は常に改正されているため、不動産投資時だけでなく不動産所有期間中も定期的に情報収集を行い、法令違反を犯していないか確認する必要があります。

物理的調査

不動産デューデリジェンスの調査の中で最も重要な調査と言えるのが、物理的調査です。
企業が保有する各不動産に対して土地や建物、地震や水害などといったリスクを調査します。
土地や建物の物理的な面の調査を行った上でどの程度の修繕を行う必要があるのかなどを算出しておくことで、投資するかどうかを判断する際に役立てられます。
また、これらの物理的調査は不動産投資時だけでなく、不動産を所有し続ける場合においても役立ちます。BCP策定において土地・建物等の状況を確認し、所有し続けることが適切かどうか判断するために重要な役割を果たします。

不動産デューデリジェンスの効果とは

不動産デューデリジェンスの効果としては、主に3点が存在します。
以下でそれぞれについて解説します。

問題に早期対応できる

不動産の情報を詳細に把握できていない場合、リスクを見逃してしまう可能性があります。その結果、建物の劣化や建物の収益性低下にもつながりかねません。
不動産デューデリジェンスを通して予め不動産の情報を把握しておくことで、建物のリスクも理解でき、問題が小さいうちに対応することができます。

資産を有効活用できる

不動産投資を行う際にその不動産の情報をよく知らないまま投資を行ってしまうと損をしてしまう場合があります。
保有する各不動産の価値を予め把握しておくことで、不動産投資や借入、転用など資産をよる有効活用する際の目安となります。

財務計画に活かせる

築年数が長い不動産は建物の耐震性などが劣化してしまいがちです。
予め建物の状態を把握しておくことで、劣化に対応した修繕や石綿などの除去作業、耐震補強工事などの費用や実施時期なども明確になるため、長期の財務計画に活かすことができます。

不動産デューデリジェンスの費用は?

不動産デューデリジェンスの費用は、調査対象の不動産の規模や種類、どの程度の調査が必要なのかといった点で異なります。また、調査の依頼相手によっても異なるでしょう。
大体の相場としては、時間単価2~5万程度となります。
そのため、1日当たり8時間が実働時間だと考えると、16~40万円程度の費用がかかるでしょう。
調査報告書の作成までに10日かかるとするならば、トータルで160~400万円の費用を要する計算となります。
費用の面で気になることがあれば、予め依頼検討相手に確認をしておきましょう。

不動産デューデリジェンスを行うタイミングは?

不動産デューデリジェンスは対象物件の購入や所有不動産の修繕、不動産投資を検討している時に行うことが多いです。
購入前の他者所有の不動産についてデューデリジェンスを行う場合には、現所有者の協力がないと行えないため、事前に現所有者に協力依頼及び調整をしておきましょう。
また、そのほかのタイミングとしては年度末決算時やBCP策定時などがあります。
所有する不動産の情報は常に変動し得るので、定期的に調査を行うことでリスクの詳細な把握にもつながるのです。

【まとめ】不動産デューデリジェンスを行い、不動産価値を明確に把握しましょう

いかがだったでしょうか。
この記事では、不動産デューデリジェンスの説明とその調査項目、効果について解説しました。
不動産デューデリジェンスを行うことで、不動産に関するリスクを低減し、資産価値を正しく判断することができます。
また、今日では地震などの自然災害への関心も増しており、地盤や自然災害のリスクは不動産価値に大きく影響します。
こうした背景もあり、不動産デューデリジェンスの需要はますます高まっています。
是非不動産デューデリジェンスを行い、投資や売買対象である不動産の価値やリスクを明確に把握しましょう。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事