1. HOME
  2. ブログ
  3. 賃貸不動産
  4. 2022年のオフィスビル市況は? オフィス出社再開やインフレの影響はある?

BLOG

ブログ

賃貸不動産

2022年のオフィスビル市況は? オフィス出社再開やインフレの影響はある?

近年、投資ブームの影響もあり、株式投資や不動産投資も人気が出ています。その中でも今回はオフィスビルへの投資を解説します。2020年から始まったコロナウィルスの影響で在宅勤務が普及しました。在宅勤務や働き方改革の影響、少子高齢化の影響で賃貸などの空き状況や投資する価値はあるのかをオフィスビル投資の市況を中心に紹介します。また在宅勤務からオフィス出社再開への動きやインフレへの影響により、今後オフィスビル投資の今後の市況はどのようになっていくと予想されるかを解説します。

オフィスビル投資とは? 気になる利回りやメリットはこちら

オフィスビル投資とは不動産投資の一つになります。不動産投資でメジャーなところといえば、マンション投資やアパート投資、戸建て投資などの居住用の投資になりますが、東京や地方都市のオフィスビルに投資をするというのも近年普及してきています。他の不動産となにが異なるのかメリットを4点紹介いたします。

値下がりしにくい
利回りが安定しやすい
災害に強い
家賃(賃料)増額交渉がしやすい

■オフィスビル投資のメリット・インフレ対策

値下がりしにくい
オフィスビル投資は値下がりしにくいのが特徴です。理由としてはオフィスビルが多くある地域は東京や地方の主要都市に集中しており、人口減少の影響を受けにくいためです。人口減少の影響を受けにくいため、キャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙える投資になっておりインフレ対策になります。

利回りが安定しやすい
オフィスビルで契約する会社は倒産・急激な経営悪化や大幅な従業員補充がなければ基本的にはオフィスの移転を考えるケースは少ないと言えるでしょう。そのため、長期的に契約をしてくれる会社が多く、1度契約をしてしまえば安定した収益を見込めます。都心部では耐震や免振といった問題が無ければ、空室になる可能性は低く利回りも安定して見込めます。地方で独立した企業でも東京に支社や本社を構える場合があるので、空室があればすぐに埋まる状況になっています。

災害に強い
アパートや戸建て住宅投資の場合には木造建築や軽量鉄骨で立てられているケースがほとんどです。震災の被害にあった場合には大きな被害を受けることもあります。一方、オフィスビルであれば、鉄筋コンクリートで作られていることがほとんどですので災害にも強く、安心して投資ができます。

家賃(賃料)増額交渉がしやすい
居住用の不動産投資の場合、法律的には居住中に家賃の増額をすることも可能ですが、実際には交渉はうまく行かず多くの場合では契約更新のタイミングや居住者が切り替わるタイミングで家賃の増額をすることになると思います。一方、オフィスビル投資の場合にはお互いビジネスライクに交渉を行うことになるので、しかるべき理由さえあれば、賃料の増額も比較的容易に交渉ができるでしょう。

オフィスビル投資に必要な資金は? 最近では「小口化」投資も増加中!

在宅勤務が普及したため、オフィスビル投資の市況は一時期はやや低迷していました。だからといって簡単にオフィスビルへの投資ができるものではありません。オフィスビル一棟に投資するとなると数億単位の資金が必要になるでしょう。しかし、近年ではオフィスビルを小口化して投資する方法も出てきました。投資方法は大きく2通りに分かれます。

オフィスビルの一室を購入する
オフィスビルに対して共同で投資をする

オフィスビルの一室を購入する
こちらは区分所有投資といってオフィスの一区画単位で投資する方法になります。オフィスビル一棟を丸々購入するのに比べて少ない資金で投資をすることが可能になります。また、こちらの方法ではローンを組んで購入することが可能であるため、他の収入がしっかりあれば自己資金なしのフルローンで購入することができるのがメリットと言えるでしょう。その一方で、投資する対象がオフィスビルの一画であるため、借り手がつかない場合には収入源がなくなってしまう点には注意が必要になります。

オフィスビルに対して共同で投資をする
こちらは小口投資という形の投資方法で、一つのビルに対して大勢で投資を行います。投資資金を管理している会社がとりまとめを行い、出資者は年に数回得られた利益から分配金を受け取ることができます。一口500万円ぐらいからが相場のようです。こちらの方法ではあまり大きなお金を借りたりせずとも不動産投資ができる点やビルのメンテナンス等はすべてその物件を管理している会社が行うため、投資以外の作業が特に必要ない点がメリットです。その一方で、ローンを組むことができないため、収入が十分にあっても資金がない場合には投資ができない点やレバレッジを効かせることができない点はデメリットと言えるでしょう。

2022年のオフィスビル投資の市況は?

2022年のオフィスビル投資の市況はどのようになっているのでしょうか。リーマンショック時(2009年)から比較してどのように推移しているのか、都心部の賃料と空室率の2点に着目してオフィスビル投資の市況を考えてみます。

賃料
賃料は調べたところによると、東京の都心部Aクラスビル(延床面積10,000坪以上、1フロア面積300坪以上、築年数15年以内のビル)の月当たりの坪賃料は2009年のリーマンショックで大幅下落をして以降、2020年まで堅調に上昇しており、4万円を超えました。しかし、2020年のコロナにより在宅勤務で出社が制限されたことにより、在宅勤務を継続する会社が出てきており出社する機会を減らす方向に動いています。その結果、オフィスも縮小傾向であり、賃料自体も現在では2万9千円台と低迷をしています。

空室率
空室率も賃料と傾向は似通っており、リーマンショック時には東京で8-9%台と高い数値でしたが、それ以降は順当に下落し、2020年には2%程度まで低下をしていました。しかし、コロナウィルスにより在宅勤務や出社制限の傾向が強まり、今後も在宅勤務や出社制限を継続していく方針の会社が出てきています。そのため、2022年では空室率が6%に近い値まで上昇を続けています。
賃料も空室率も悪化しているため、2022年のオフィスビル投資の市況は悪化していると考えられます。しかし、東京の中でも渋谷の空室率は減少傾向にあります。渋谷は都心の今後を先取りしていると言われているため、今後のオフィスビル投資の市況は回復していくと考えてよいでしょう。オフィスビル投資の市況が回復していない今が投資のチャンスかもしれません。しかし、在宅勤務や出社制限の影響もあるので、短期的にはどこまで市況が回復するのかは懸念と言えるでしょう。

オフィス出社再開で今後のオフィスビルはどうなる? ソーシャルディスタンスを意識して増 床が必要という声も

在宅勤務の制限が解除されたり、出社制限が解除されたりしており、オフィスビルに戻る動きも出てきています。その中で企業はどのように対応していくのでしょうか。コロナ後の対応として在宅勤務をメインに考えている会社が33%、出社を考えている会社が39.1%と出社の方が多くなっています。また、今後の展望としてオフィスの縮小を考えている企業は30%近く、その一方でソーシャルディスタンスを考慮して増床を考えている会社が3.3%程度となっています。オフィスビル投資の市況は暗そうな傾向に見えますが、それほど市況の展望は暗くありません。在宅勤務が多くなりオフィスの縮小は発生するかもしれませんが、オフィスのハブ(交流の場)としての機能は求められるため、オフィス自体を廃止する企業は少ないと言えるでしょう。また、縮小傾向となるということは一般のオフィスビル投資家が手の届きやすい価格帯のビルは埋まりやすくなるということです。そのため、資金があまりない個人投資家が投資できるオフィスビルの市況は大きく変動はしないと推察されます。
■参考記事:コロナ禍のオフィス動向。「縮小」が多数派の一方で「拡張」する動きも

建築資材のインフレでオフィスビルの建築価格は上昇中?

ウクライナでの戦争やウッドショックなどの影響を受け、建築資材はインフレを続けています。2021年から2022年にかけて全国で平均して1割以上のインフレとなっています。この結果はオフィスビルの建築価格や売り出し価格にも影響を受けており、オフィスビルの売り出し価格もインフレ傾向にあります。また、建築資材のインフレの影響を受け、オフィスビルの賃料も今後インフレ傾向になると推察できます。
■参考記事:建設工事費の推移を詳しく解説!建設資材価格の上昇理由、今後の予測も

【まとめ】オフィスビル投資は市況感を十分確認して慎重に行おう!

この記事では、オフィスビル投資へのメリットやオフィスビル投資の市況、在宅勤務や出社制限による影響やインフレによる影響を解説しました。
コロナウィルスの影響で在宅勤務や出社制限によるオフィスの賃料の下落や空室率の上昇、オフィスの縮小がある一方で、ソーシャルディスタンスで増床を考えている企業も一部ありました。また、インフレの影響も顕著で、2021年から2022年の間で1割ほど材料費がインフレをしていて、オフィスビルの売り出し価格にも影響を与えています。これらを考慮すると、個人投資家が購入可能な小さめのオフィスビル投資の市況は大きく変動することはないのではないかと推察されます。
しかし、上記の推測は日本の景気傾向や政治の影響を考慮していません。景気が悪化した場合にはまた違った傾向になると言えるでしょう。
投資は最終的には自己判断になりますので、オフィスビル投資は市況感や政治の動向までしっかり確認して慎重に投資を行うようにしましょう。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

関連記事